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今年の連休は、比較的続けて休みを取られる会社が多かったのではないでしょうか。
さて先日、大阪工業大学にてロボカップ2012が開催されるとのことで、市場調査?も
兼ねて行って参りました。 会場は大宮キャンパスにて5月3日~5日です。
会場では次の競技が行われておりました。
1Fでロボカップ@ホーム 日常生活でのロボットとの共存、共栄を競うコンテスト
シミュレーションリーグ 災害時にロボットと災害の状況をシミュレーションしてそのポイント
を競うコンテスト またサッカーをシミュレーションしてそのアルゴリズムを競うコンテスト
2Fではロボカップサッカー 自立型サッカーリーグ 中型ロボット 小型ロボット そして
おなじみのレスキュー実機リーグとかなりレベルの高い競技と成って居りました。
コンセプトとしては、通常のロボットコンテストのラジコン操縦ではなく、全て自立移動型
ロボットとしての機能を有して、人間の介在は開始、中断、停止、故障などの時以外は全て
各々が判断しゴールや得点を競う内容です。
ロボカップ@ホームは、一般家庭を模しした内容で、個人認識、支援競技で水を取って運んだり
注いだりまた、個人認識をして挨拶やその人の状態を示す競技です。
シミュレーションリーグは実機ではなく、パソコン上で決められたフィールドや災害を模擬して
ロボット、人、災害状況 またはメンバーの配置、ボールの位置、敵陣の認識など高度な判断を
行い、適切な采配や見方へのパス、情報伝達をシミュレートして点数を稼ぐ内容です。
失礼ながら最初は地味すぎて、PS3等のゲーム機のCPU対戦と何が違うのか理解に苦しみましたが
条件が非常にシビアで、フィールドの情報は開始直前に与えられるという違いと認識しました。
特に災害救助はロボット配置、災害の情報、人間の避難など複雑な条件の下何処のチームも苦戦
していたと思います。
2Fでは、中型ロボットによる自立移動のロボットの競技 こちらは360°見えるカメラを携えて、
縦横無尽に張りし回りゴールする競技です。 平面積は決められているようですが高さが1m以上
有り、かなり大きなロボットが4台競います。移動速度とボールシュートが想像していたよりも
速く、ぶつかっても良く壊れない物だと(破損は良くあるそうですが)感心仕切りです。 まだ
改良で強力なモーターと速い処理能力が今後の課題と何処のチームも話されておりました。
ヒューマノイドロボットは2足歩行でボールを追いかけて片足でボールを蹴って競う内容です。
速度はそれほど速くありませんが、バランス制御やボールの追従、ゴールの位置、キック力、方向
などが試される競技です。 良く転んだり違う方向に蹴るロボットもいましたが、制御が難し
事でしょう。
小型ロボットリーグは中型と内容は同じですが、天井に吊したカメラで位置情報を取得し、見方
敵方、ボール、ゴールの方向をみて、各々が行動する内容です。 こちらは4台ずつ、計8台が
競技いたします。 動きは非常に速く、ボールはゴルフボールぐらいですが、蹴り(溜め)等
ギミックが非常に面白かったです。 個々の連携も協議に重要な要素で、ディフェンス、オフェンス
等戦略シミュレーションが試される競技と思います。
最後はIRS国際レスキュー研究機構のレスキュー実機リーグです。 こちらは災害救助を模擬した
競技内容です。 特定のコース上に設けられた障害を壊さずにまたがれきに埋もれた遭難者を探査
する競技です。 丁度伺ったときにはメインの競技が終了して、フリー競技として障害物を乗り
越え、ゴールする競技が行われておりました。 これが非常に難しく、障害物を乗り越えられ
無かったり、ダッシュの余り機構が壊れたり、重量が重く上れなかったりと各チーム苦戦を強いれて
おりました。 殆どデータ取りとのことですが、形状、重量、駆動機構などは千差万別で取捨選択
が難しいのではないかと思います。 お世話になっている長岡技術科学大学のレスキューロボットは
動きがスムーズで非常にこなれた感じです。 後、京大チーム、タイのチームも参加して完走して
おりました。
本格的なロボット競技を生で観覧するのは初めてですが、どのチームも一喜一憂で時折凄いシュート
等でどよめきが起こっており、会場内を行ったり来たりと私も落ち着き無く見入っておりました。
ただ冷静に考えると、どのチームの技術力やアルゴリム開発は素晴らしい物ですが、次のステップとして
技術の応用や、社会適応を考えると全てに対して、今一歩?なのでは思います。 災害救助に
対しても、途中で故障して人間が助けに行くという本末転倒な内容や、与えられた情報以外の内容に
対しては全く動かないなど、人工知能の開発が進んでいるとはいえ非常に難しいのかなと考える次第
です。 まだまだ技術の商業転用や専門技術(餅は餅屋)は非常に乏しいのではないかと感じました。
己が開発出来る内容ではありませんが、ロボット技術が鳥瞰的な視野でマネジメントを行うともっと
進むのではないかと思う次第です。
先日”災害とロボット”と言う本を購入して読みましたが、個々の技術や探査、駆動などは素晴らしい
物ですが、まだまだ”使える”ものはなかなか難しいのではないかと思います。 またロボットを
取り巻く法律や規制、末端まで届かない利権争い、行政の予算争奪など非常にレベルの低い人間の
争いは、新しい技術に対してそれを阻んでいるのかも知れません。 私も今回の競技を見て各々の
自己満足ではなく、もっと今後の日本のために技術開発や活躍の場を設けて継続を行って欲しいと
願うばかりです。
ロボットとは人間社会に対して、どの様な立場にあるべきなのか・・・
最後までお読み頂きありがとうございます。
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