9月に入り、相変わらずの雨が続いている天気でございます。
昼夜少しは涼しくなったかなと言うことで、熱さでさぼっていた工作を再開いたしましたので少し
ばかりご紹介出来ればと思います。
購入時より放って置いたDigiFi 10号のヘッドフォンアンプですが、先人方のブログを拝見して
おりますと色々と工作されている内容を拝見いたしまして、そろそろいじりたくなった次第です。
詳細は先人の方にお任せすると致しまして、ご承知の通りDACはごく一般的なバーブラウン
PCM2704Cで構成されており、RCAジャックとヘッドフォンは贅沢にも独立したオペアンプで、
JRC(日本無線)のNJM8080が2個使用されております。
恐らく出力先が干渉しないようにとの設計と思いますが、これで本を含めて3,300円は
お買い得かと思います。
さて、オペアンプは写真の通り表面実装(SOP)使用の製品を使用しており、お気に入りの
オペアンプにはおいそれと交換出来ませんし、お気に入りがDIP品のみでしたらあきらめ
無ければなリません。(そこまで切羽詰まっては居ないとは思いますが 笑)
でも、ICソケット式の様に色々と差し替えて愉しむことは出来ません。 と言うことで、
表面実装基板にDIPタイプのICソケットを取り付けて他のオペアンプを試してみたいと思います。
と、その前にオペアンプの対比として、下記データシートからいくつか抜粋いたしました。
NJM8080
動作電圧 ±2V~±18V
低雑音電圧 5nV/√Hz
利得帯域幅 15MHz
スルーレート 5V/us
歪率 0.0005%
電圧利得 110db
LME49720
動作電圧 ±2.5V~±17V
雑音電圧 2.7nV/√Hz
利得帯域幅 55MHz
スルーレート ±20V/us
歪率 0.00003%
電圧利得 140db
MUSES01
動作電圧 ±9V~±16V
雑音電圧 9.5nV/√Hz
利得帯域幅 3.3MHz
スルーレート ±12V/us
歪率 0.002%
電圧利得 105db
MUSES02
動作電圧 ±3.5V~±16V
雑音電圧 4.5nV/√Hz
利得帯域幅 11MHz
スルーレート ±5V/us
歪率 0.001%
電圧利得 110db
MUSES8920
動作電圧 ±3.5V~±16V
雑音電圧 5nV/√Hz
利得帯域幅 11MHz
スルーレート ±25V/us
歪率 0.00004%
電圧利得 135db
実際、スルーレートが高いとか、ノイズが少ないとか多少の影響があるようですが、様は
それを運用している回路定数や構成によりかなり変わりますので、ご参考程度にお願い
いたします。 今回一番気にしていましたのは動作電圧で、NJM8080は±2Vからの低い
電圧でも動作を行い、交換に対して心配していた部分です。 これは後述にでも。
ヘッドフォンアンプ本体は、パソコンのUSB(バスパワー)から給電いたしますが、アンプ側
にチャージポンプ式レギュレータが搭載しており、オペアンプには±6.2Vが供給されています。
(写真電圧はオペアンプV+ とV-間を計測値)
この電圧ですと、殆どのアンプが動作出来ることとなります。 これは非常に有りがたい設計で
ございます。(そのため電力確保でどでかいコンデンサーが鎮座しております。)
さて交換場所のオペアンプは電解コンデンサーの林の中に埋もれております。 先ずこれを取っ払う
事に致します。 私の場合全部で9本一時的に取り外しを行いオペアンプの作業領域を広げます。
綺麗に取り外しいたしました。 次に、心置きなくオペアンプ取り外しに取りかかりますが、
その前にアンプ本体の利得定数の確認を行ったところ・・・
RCAジャック側 反転増幅 3.0倍
HPジャック側 非反転増幅 3.2倍
の設定となっております。 ローパスフィルターの計算はコンデンサー容量が不明なため出来ません
でした。 HP側は、RCA側オペアンプの出力より入っているため、最終9.6倍となっているようです。
では、オペアンプの取り外しに掛かります。
こちらも通常作業としておりますので比較的綺麗に取り外しをいたしました。
さて次に、今回の肝であるDIPタイプのICソケットの作成でございますが、行程作業取り忘れて
完成品を掲載いたします。 今回のNJM8080はピン間隔1.27mm間隔ですので、その間隔にPINを
立てます。 表側にはDIP8PのICソケットを取り付けて完成です。 ICの1ピン方向を間違えないように
これをアンプ本体にハンダ付け致します。 こちらは特に問題なく作業は完了致します。
(ICの向きを間違えますとオペアンプが破裂致しますので気をつけます。 )
後は取り外した電解コンデンサーを取り付けて終わりですが、ヘッドフォン側のコンデンサー
につきましては、ニチコンのMUSEに変更しております。 図体が大きいので少々曲げ加工を
行って居ります。
これで完成致しました。 アンプ本体をパソコンに繋げて動作チャックを行います。
ハンダ状態を再度目視で確認を行い、オペアンプを外した状態でPCと繋げます。
オペアンプの駆動電源は問題なく±6.2V(12.4V)が出力確認出来たところで、
オペアンプを取取り付けて実際動かしてみます。
問題なく動作しており、心配していた電力不足によるノイズなどもほぼありませんでした。
音質の方はオペアンプにも依りますが、手元にありましたOPA2314で試しましたが、オリジナル
より少し明瞭で高音が伸びたような感じです。 他のオペアンプも色々と交換出来、愉しめそうで
ございます。
取り外したアンプは、DIP変換基板に載せてこちらも比較しながら愉しめることが出来ます。
ただ難点は交換の再、力を入れて外すと基板のパターン事取れてしまうので注意が
秋の夜長、涼しくなるにつれてある種夜が短く感じるかも知れませんね。
もしご参考になれば試してみては如何でしょうか。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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